5因子が正常なら「T2Dでも心配ない」?
Risk Factors, Mortality, and Cardiovascular Outcomes in Patients with Type 2 Diabetes
背景
完備した国民医療システムと連動するスウェーデンの国家レジストリは、疫学だけでなく予防医学にも多くの有力なエビデンスを提供している。同国University of GothenburgのRawshaniらは、Swedish National Diabetes Register登録2型糖尿病(T2D)患者271,174名と対照者(n=1,355,870)のケース・コントロール研究により、死亡・心血管疾患の過剰リスク低減のための有効因子の同定を試みた。
結論
フォローアップ期間中央値5.7年で、T2D患者のアウトカム超過リスクは、5つの危険因子(高HgA1c・高LDL-C・アルブミン尿・喫煙・高血圧)の1つごと除去により段階的に低下した。危険全5因子が目標範囲の患者の対照に対するに全死因死亡・AMIのHRは各1.06・0.95であった。ただし、心不全入院リスクはT2D患者で高かった(HR:1.45)。HbA1c高値はT2D患者の脳卒中・AMIの最強の予測因子であり、また喫煙は最強の死亡予測因子であった。
評価
常識的な見方を高信頼度の疫学研究で補強し、T2D患者に「この5つの検査値が全部正常なら安全です」といえる根拠を与えた。