2週間の運動で膵臓脂肪が減りβ細胞機能が改善する
Exercise training decreases pancreatic fat content and improves beta cell function regardless of baseline glucose tolerance: a randomised controlled trial
背景
運動はインスリン感受性を改善させることが知られているが、短期運動の膵臓脂肪・β細胞機能への影響は明らかでない。フィンランドUniversity of TurkuのHannukainenらは、健常者および前糖尿病・2型糖尿病(T2D)患者に対する2週間の運動トレーニングの効果を検証するRCTを行った(健常者 n=28、前DM・T2D患者 n=26)。一次アウトカムは、1H MRS測定による膵臓脂肪である。
結論
ベースラインでは、健常者と比較して前DM・T2D患者で膵脂肪含量、β細胞機能障害が多く、膵臓のグルコースおよび脂肪酸の取り込みは同等であった。運動トレーニングにより、健常者・前DM・T2D患者すべてで同程度の膵臓脂肪減少がみられた。
評価
これほど短期の運動トレーニングにより膵臓脂肪が減ることを示した研究は初めてである。β細胞機能の改善も確認しており、運動を「ともかく始める」ことの有益性を示した。