都市空き地の緑化にメンタル効果
Effect of Greening Vacant Land on Mental Health of Community-Dwelling Adults: A Cluster Randomized Trial
背景
精神疾患と近隣・居住環境の関連が認知されてきているが、多くの研究は社会経済的ステータスにフォーカスしている。University of PennsylvaniaのSouthらは、都市空き地の緑化のメンタルヘルスへの効果を検証する無作為化観察研究を行った。同州の110の空き地を3群を、緑化・ごみ清掃・無介入に割り付けて442名の参加者を18カ月間追跡した。一次アウトカムは、Kessler-6 Psychological Distress Scale(K6)である。
結論
ごみ清掃介入が無効であった一方、緑化介入はうつ症状者数を41.5%、自己無価値性感受者数を50.9%減らした。メンタル脆弱性には有意差を認めなかった。また、うつ軽減効果は貧困地域でより顕著だった。
評価
当然とも見える結果だが、このような効果を定量的に示した研究は初めてとみられる。ごみ清掃と緑化の、また富裕域と貧困域での効果差は注目される。


