T1D児の白質異常は長期持続する
Persistence of abnormalities in white matter in children with type 1 diabetes
背景
1型糖尿病(T1D)の子どもは大脳白質の発達が制限され、その微小構造も変化するという報告がある。Nemours Children’s Health SystemのFoxらは、4-9歳T1D患者を対象に、白質微小構造に対する血糖異常症の持続的(ベースライン〜18ヶ月)な影響を拡散テンソル画像法を用いて検討した(n=118)。
結論
T1D児の軸方向(白質神経線維走行方向)拡散率はベースライン(p=0.022)および18ヶ月時(p=0.015)で共に低く、T1D児において白質微小構造の変化は持続することが示唆された。T1D児では、高血糖曝露の少なさは異方性率(ミエリン化の代替指標)高値と関連しており(p=0.037)、異方性率はまたIQと相関していた。
評価
横断研究で示されていた障害の長期持続性を確認した研究である。このような白質障害はもっぱら高血糖に帰せられるとされており、著者らは小児T1D患者の血糖レベル管理の重要性を強調している。


