アメリカのインスリン治療にコスト意識
Association of Initiation of Basal Insulin Analogs vs Neutral Protamine Hagedorn Insulin With Hypoglycemia-Related Emergency Department Visits or Hospital Admissions and With Glycemic Control in Patients With Type 2 Diabetes
背景
アメリカの2型糖尿病(T2D)患者治療で、コスト便益性が強く意識されるようになってきている。Yale UniversityのLipskaらは、Kaiser Permanente管理下25,489名のインスリン治療T2D患者(平均1.7年フォローアップ)のデータに基づき、高価な長時間作用型インスリンアナログと廉価なヒトNPHインスリン(NPH)の間で非便益性を比較した。一次アウトカムは、低血糖関連救急外来受診または入院までの時間である。
結論
傾向スコアマッチ解析により、両者の間に一次アウトカム有意差を認めなかった。また、血糖コントロールに関しても有意差は認められなかった。
評価
アメリカではこの10年でインスリンアナログの価格が急騰(3倍)しているために行われた分析である。NPHは値上がりしておらず、JAMA Editorialは「そんな薬が未だアメリカにあるとは奇跡」としている。