小児DKAの脳障害と輸液は無関係
Clinical Trial of Fluid Infusion Rates for Pediatric Diabetic Ketoacidosis
背景
小児の糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)時の脳障害(特に脳浮腫)発生に輸液のNa濃度や速度が関与している、という示唆がある。University of CaliforniaのKuppermannら(PECARN DKA FLUID)は、この仮説を検証するRCTを行った(n=1,255)。患者はNa濃度0.9%/0.45%、急速注入/低速注入の4群に割り付けた。一次アウトカムは、DKA治療中の意識レベル低下(GCS<14)である。
結論
GCS<14未満は3.5%のDKA患者に、脳障害は0.9%の患者に発生した。一次アウトカムに群間差はなく、明確な脳障害等2次アウトカムにも差異はなかった。
評価
小規模研究で生成された仮説(懸念)を大規模RCTで棄却した。脳障害は病態自体の効果である可能性が高く、著者らは「ともかくDKAを予防することが重要」としている。


