禁煙介入:金銭か電子タバコか
A Pragmatic Trial of E-Cigarettes, Incentives, and Drugs for Smoking Cessation
背景
禁煙のための金銭的インセンティブの有用性が示唆されているが、電子たばことの比較ではどうか。University of PennsylvaniaのHalpernらは、54社に勤務する喫煙者を対象としてこれを検証するRCTを行った(n=6,006)。通常ケア対照群に対し次の4介入を比較した:無料の禁煙補助薬;無料の電子たばこ;無料の禁煙補助薬と禁煙継続に対する$600ドルの報奨;無料の禁煙補助薬と禁煙目標不達成の場合の振込金$600の撤回(負の報奨)。一次アウトカムは、禁煙開始日から6ヶ月間の禁煙継続である。
結論
6ヶ月禁煙継続率は、通常ケア群0.1%、無料の禁煙補助薬群0.5%、無料の電子たばこ群1.0%、報奨金群2.0%、ペナルティ群2.9%であった。金銭介入はいずれも無料補助薬より有効であった。また負報奨は無料電子たばこより有効であった。他方、無料電子たばこは通常ケア・無料禁煙補助薬両者に対し非有効であった。試験参加への積極性と介入の有効性の間には関連がなかった。
評価
NEJMは2015年に正の報酬介入の有効性を示した論文を掲載している(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1414293)。この研究は負の介入の有効性も示したが、電子タバコの禁煙無益性はより際立っている。


