CDCによるアメリカDM患者の死亡率動向
Trends in cause-specific mortality among adults with and without diagnosed diabetes in the USA: an epidemiological analysis of linked national survey and vital statistics data
背景
アメリカでの糖尿病(DM)患者の死亡率の動向は。CDCのGreggらは、National Health Interview Survey Linked Mortality files(1985~2015)データに基づき、DM診断と各種死亡率との関連を検討した。
結論
1988~1994年間と2010~2015年間で、アメリカ成人DM患者の全原因死亡率は10年毎に20%(23.1 to 15.2/1000人年)、心血管原因死亡率は32%、がん原因死亡率は16%、非心血管・非がん死亡率は8%低下した。非DM患者でもこの傾向があったが、死亡率の低下度はDM患者が有意に大きく、全原因・心血管因死亡率の低下度の差は倍近かった。DM患者の全原因死亡率低下度は65~74歳男性で最大で、20~44歳では低下がなかった。また、DM患者における心血管因死亡の割合は1988~1994年で47.8%だったが、2010~2015年では34.1%であった。がん死亡の割合は16%~20%で推移している。
評価
CDCによるアメリカDM状況の参照点的報告である。アメリカでは全人口の10%がDMとされているが、ケアの進歩と生活習慣の改善で死亡率は下がってきている。死亡原因の多様化と若年者での無変化が注目される。