血清Lp-PLA2値は糖尿病網膜症リスク予測因子
Lp-PLA2 activity is associated with increased risk of diabetic retinopathy: a longitudinal disease progression study
背景
リポタンパク質関連ホスホリパーゼA2(Lp-PLA2)が糖尿病網膜症(DR)などでみられる糖尿病誘発性の血管漏出に関与する、という報告がある。イギリスUniversity of DundeeのPalmerらは、2型糖尿病患者を対象に、Lp-PLA2活性とDRの発症および重症度変化の関連を検討した(n=1,364)。
結論
Lp-PLA2活性の上位四分位群は、下位四分位群と比較して、新規DR発症のハザードが2.08倍高かった。高いLp-PLA2活性はすべてのグレードへの移行のリスク増加と有意に関連していた。Lp-PLA2活性の上位四分位群は、下位四分位群と比較して、顕性(observable)網膜症・増殖性(referable)網膜症を発症するハザードがそれぞれ2.82・1.87倍高かった。
評価
現在一般的なDR予測因子は、罹患期間・血糖コントロール・高血圧である。新しい血中炎症性マーカーの同定は、DRの発症・進行予測を改善できる可能性があるだけでなく、治療的予防の標的も示した。


