T2D発症のメタボロミクス予測:新しいたたき台
Metabolomics insights into early type 2 diabetes pathogenesis and detection in individuals with normal fasting glucose
背景
糖尿病はメタボロミクスが最も有用と考えられている分野の一つである。Broad Institute of MIT and HarvardのMeigsらは、Framingham研究に参加した空腹時血糖正常者(NFG)コホート1,150名を対象として、LC-MS/MSによる前向代謝プロファイリングを行った。
結論
20年のフォローアップで8.2%のNFG参加者がT2Dを発症した。19の代謝産物がその発症に関与すると考えられ、これらによる予測能は従来のT2Dリスクファクターによる予測能を上回った(AUC:0.81 vs. 0.90)。窒素代謝経路(グリシン・タウリン・フェニルアラニンの3経路を含む)産物が有意にT2D発症リスクに関与した。グリシン・タウリン・フェニルアラニン1SD上昇ごとのT2Dリスクは各0.65・0.73・1.35である。
評価
ここ数年間様々に検討されている主題で、古典的な報告もあるが(http://diabetes.diabetesjournals.org/content/62/2/639.short)、結論は出ていない。この研究はFraminghamコホートをBroadが20年間フォローした結果ということで、高信頼度のたたき台になった。