ビタミンDは肥満患者のインスリン感受性を改善する
Effect of Vitamin D Supplementation on Obesity-Induced Insulin Resistance: A Double-Blind, Randomized, Placebo-Controlled Trial
背景
ビタミンD(VD)がインスリン感受性に関連することが報告されてきた。イタリアUniversity of the Sacred HeartのMezzaらは、BMI>25kg/m^2のVD欠乏症患者を対象として、3ヶ月間の低カロリー食+経口VDまたはプラセボのインスリン感受性に対する効果を検証するDBRCTを行った(VD群:n=9、プラセボ群:n=9)。
結論
両群において有意な体重減少がみられた(VD群で-7.5%、プラセボ群で-10%)。VD群において血清25-ヒドロキシVD値は大幅に上昇した。インスリン感受性はVD群で改善したが(4.6から6.93mg・kg^-1・min^-1)、プラセボ群では変化がなかった。
評価
VDによるDM治療が試みられているが、結果は論争的である(https://dmsjournal.biomedcentral.com/articles/10.1186/1758-5996-5-8、https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3719226/)。同グループは先行研究でビタミンD欠乏症が肥満関連のインスリン抵抗性を悪化させる可能性があると報告しており(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20150902)、このパイロット試験は減量プログラムと合わせたビタミンD補充が肥満患者に有益である可能性を示した。