高血糖とがんの関係を大規模・長期調査
Hyperglycaemia is associated with cancer-related but not non-cancer-related deaths: evidence from the IPC cohort
背景
高血糖とがんの関連は確実とみられているが、この効果は必ずしも糖尿病の帰結ではないという見方等多くの論点がある。フランスCentre IPCのPannierらは、同センター1991〜2008年の登録者301,948名(男性193,221名・女性108,727名)のデータを解析した。
結論
年齢・性別調整後の血糖値とがん関連死亡率との間の関連は非線形であった。血糖値最高分位群で有意にがん関連死亡率が高かった(HR:1.17)一方、血糖値正常分位群では関連がなかった。また、血糖値と全死亡・非がん死亡との間には関連はなかった。最高分位群で超過死亡リスクが高かったのは、消化管腫瘍・白血病であった。この結果は、糖尿病・アスピリン服用による調整後も不変だったが、血糖降下薬服用により超過死亡リスクは低減した。
評価
多くの研究があり、介在因子としてサイトカインの重要性が知られているが、ここでの疫学結果は大規模・長期で信頼度が高い。最も最近の研究には、例えば「急に高血糖が発生したら膵がんを疑え」というものがある(https://link.springer.com/article/10.1007/s10552-017-0988-6)。