肥満手術後に長期的な代謝適応はみられない
Resting Metabolic Rate, Total Daily Energy Expenditure, and Metabolic Adaptation 6 Months and 24 Months After Bariatric Surgery
背景
肥満手術後に長期的な代謝適応は得られるのか。Mayo ClinicのLevineらは、Longitudinal Assessment of Bariatric Surgery-2(LABS-2)研究登録肥満患者を対象に、肥満手術前と比較した術後6ヶ月・24ヶ月の安静代謝率(RMR)・1日エネルギー消費量(TDEE)の変化を実測した(n=25)。
結論
手術6ヶ月後、BMI・体脂肪・除脂肪体重は減少した。RMR・TDEE値は有意に低下し、得られたエネルギーバランスは-1,293kcal/dであった。このようなTDEE低下は24ヶ月までに非有意となり、24ヶ月での負エネルギーバランスは-379kcal/dであった。
評価
肥満手術に関しては、死亡や心血管疾患への総体的効果に関して「短期は間違いなく、長期効果もおそらくある」というメタアナリシスが出ており(https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/dom.12922)、この研究のように詳細な代謝パラメーターに関する長期研究が必要となってきている。