T1D小児の精神障害リスクを確認
Increasing risk of psychiatric morbidity after childhood onset type 1 diabetes: a population-based cohort study

カテゴリー
生活習慣病
ジャーナル名
Diabetologia
年月
April 2018
61
開始ページ
831

背景

小児期に1型糖尿病(T1D)を発症した患者はQOLが劣化することが知られ、精神障害の増加も報告されている。デンマークNordsjaellands HospitalのTeilmannらは、同国の全国レジストリデータに基づくコホート研究により、18歳以前の外来でのT1D診断とその後の精神障害発生の関連を検討した(患者:n=5,084、コントロール:n=35,588)。

結論

男女ともT1D発症後数年で気分障害・不安障害・解離性障害・摂食障害・ストレス関連身体表現性障害のリスクが増加し、発症後5年以上でリスクは最大となった(HR:1.55)。薬物乱用障害は男子に有意に多く、パーソナリティ障害は女子に多く認められた。

評価

一般的懸念を確定して家族や主治医への注意を促す結果で、特に著者らはあらゆるタイプの精神障害が発生しうることを強調している。同等の研究結果はスウェーデンからすでに報告されており、そこでは精神障害発症リスクと社会経済的ステータスとの関連が否定されている(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25650362)。

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取り上げる主なジャーナル(生活習慣病)

Journal of the American Medical Association (JAMA)、The New England Journal of Medicine (NEJM)、Lancet、Diabetologia、Diabetes Care (Diabetes Care)