T2Dへの多因子強化介入法を大規模検証
Effect of an intensified multifactorial intervention on cardiovascular outcomes and mortality in type 2 diabetes (J-DOIT3): an open-label, randomised controlled trial
背景
STENO-2は、2型糖尿病(T2D)患者に対する強力な多因子(血糖・血圧・脂質)コントロール戦略の有効性を示唆した。日本Tokyo UniversityのUekiらは、より大規模に行われた多因子強化介入法の効果検証試験J-DOIT3の結果を発表している(n=2,542、対照:標準治療)。介入群での目標は、HbA1c <6.2%、血圧 <120/75 mmHg、LDL-C <80 mg/dL(冠疾患既往患者は70 mg/dL)であり、一次アウトカムは、心筋梗塞・脳卒中・血行再建術施行・全原因死亡の発生である。
結論
追跡期間中央値8.5年で、一次アウトカムに関する介入の有効性はHR0.81で、有意でなかった。しかし、脳血管イベントの差異は有意であった(HR:0.42)。
評価
学会発表(https://www.medscape.com/viewarticle/886011#vp_3)では、ベースライン差異(特に喫煙)の調整後に介入の一次アウトカム有効性は有意になった、という(HR:0.76、P=.042)。血糖値への強化介入試験にはネガティブな結果も多く、未だ明確な方向性は定まっていないようである。