脳卒中の臨床像には男女差がある:系統的レビュー・メタ解析
Sex Differences in Presentation of Stroke: A Systematic Review and Meta-Analysis
背景
脳卒中の予後には男女差がある可能性が示唆されているが、その原因として男女の臨床症状の差も候補となっている。オランダVrije Universiteit AmsterdamのAliらは、虚血性・出血性脳卒中および一過性脳虚血発作(の疑い)による入院患者を扱った非局所・局所症状の比較が可能な既存研究を対象とするシステマティックレビュー・メタアナリシスを実施し、臨床症状の男女差を検討した。
結論
582,844名の患者を含む60件の研究が対象となった。女性では頭痛(プール化オッズ比1.24)、意識/精神状態の変化(1.38)、昏睡/昏迷(1.39)の頻度が高かった。非特異的/その他の神経症状(非回転性めまいや非神経症状)は女性では頻度が低かった(0.96)。局所症状は総体として性別と関連しなかったが、発話障害(1.14)、回転性めまい(1.23)は女性で多く、不全麻痺/不全片麻痺(0.73)、局所視覚障害(0.83)は男性で多かった。
評価
メタ解析により脳卒中の症状に男女差があることを示唆した。ただし、含まれた研究の多くにはバイアスリスクがあり、より高品質な研究によって確認される必要がある。