人工呼吸患者でのオピオイドはモルヒネよりもフェンタニルか
A Phase II Cluster-Crossover Randomized Trial of Fentanyl versus Morphine for Analgosedation in Mechanically Ventilated Patients

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine
年月
December 2021
204
開始ページ
1286

背景

人工呼吸患者では苦痛を緩和するために持続静注オピオイドが用いられる場合があるが、フェンタニルとモルヒネのいずれが優るのか。オーストラリアAustin HospitalのCasamentoらは、2つの成人ICUをフェンタニル→モルヒネまたはモルヒネ→フェンタニルのクロスオーバーに割り付ける第2相クラスターランダム化比較試験を行い、人工呼吸患者の患者中心アウトカムへの影響を検証した(n=737)。

結論

一次アウトカムである28日目までの人工呼吸器不要日数は、フェンタニル群で26.1日、オピオイド群では25.3日であった。フェンタニル群ではICU-free日数が長く、生存者でのICU滞在期間も短かった。

評価

オピオイドの選択が臨床アウトカムに影響を与える可能性を検討し、複数のアウトカムについてフェンタニルが優ることを示した。

関連するメディカルオンライン文献

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)