緊急挿管時でのブジーとスタイレットに差はない:BOUGIE試験
Effect of Use of a Bougie vs Endotracheal Tube With Stylet on Successful Intubation on the First Attempt Among Critically Ill Patients Undergoing Tracheal Intubation: A Randomized Clinical Trial
背景
ブジー(チューブイントロデューサー)は気管挿管の初回成功率を高めることがBEAM試験において示されているが、この試験は日常的にブジーを用いて挿管を行う施設での単施設研究であり、外部妥当性に問題があった。Hennepin County Medical CenterのDriverらは、アメリカの7つの救急外来と8つのICUにおいて気管挿管を受けた重症成人患者を対象として、ブジーを用いた挿管とスタイレット付きチューブでの挿管を比較するランダム化比較試験BOUGIEを実施した(n=1,102)。
結論
初回挿管成功率はブジー群80.4%、スタイレット群83.0%であった。重症低酸素血症はそれぞれ11.0%、8.8%、食道挿管は0.7%、0.9%、挿管後の気胸は2.5%、2.7%で認められた。
評価
ブジー群で96%の初回成功率を示したBEAM試験とは対照的に(http://doi.org/10.1001/jama.2018.6496)、本試験における多施設検証ではブジー挿管の利点は見出されなかった。