ミッドラインカテーテルはPICCよりも合併症が少ない?
Safety and Outcomes of Midline Catheters vs Peripherally Inserted Central Catheters for Patients With Short-term Indications: A Multicenter Study
背景
ミッドラインカテーテルは比較的長い末梢静脈カテーテルでショートカテーテルよりも長時間の留置が可能であるが、末梢挿入中心静脈カテーテル(PICC)の普及によって使用が減少した。St Josephs Mercy Health SystemのSwaminathanらは、2017年12月〜2020年1月に研究参加病院に入院し、アクセス困難または短期抗菌薬療法のために、PICCまたはミッドラインカテーテルの留置が行われた患者を対象として、重要な合併症(症候性のカテーテル関連深部静脈血栓塞栓症[DVT]、カテーテル関連血流感染症、カテーテル閉塞)のリスクを比較した(n=10,863)。
結論
患者背景などについて調整後、PICCの留置を受けた患者は、ミッドラインカテーテル患者と比較して重要な合併症の発生率が高かった(オッズ比1.99)。ミッドラインカテーテル患者における合併症の減少は、カテーテル閉塞(2.1% vs. 7.0%)と血流感染症(0.4% vs. 1.6%)の減少によるものであった。DVTイベントリスクはPICC患者で低かった(ハザード比0.53)。
評価
ミッドラインカテーテルは感染リスクがPICCよりも低いとされる。このコホート研究では、ミッドラインカテーテルで血流感染と閉塞のリスクが低い一方、DVTリスクはPICCより高かった(オッズ比には差なし)。結論はRCTによって決定されることになる。