YEARSルールと年齢調整D-Dimerにより肺塞栓を安全に除外できる
Effect of a Diagnostic Strategy Using an Elevated and Age-Adjusted D-Dimer Threshold on Thromboembolic Events in Emergency Department Patients With Suspected Pulmonary Embolism: A Randomized Clinical Trial
背景
Pulmonary Embolism Rule-Out Criteria(PERC)ルールは肺塞栓症(PE)の除外に有用だが、PERCルールで除外し得なかった患者における安全な除外戦略は?フランスSorbonne UniversiteのFreundらは、PERCで除外されない低リスクPEまたは主観的リスクが中程度のPE患者を対象に、D-dimerレベルが年齢調整閾値未満の場合に除外診断する対照期間と、YEARS基準が0項目の場合にはD-dimerレベルが1000 ng/mL未満またはYEARS基準が1項目以上満たされる場合には、D-dimerレベルが年齢調整閾値未満で除外診断する介入期間における静脈血栓塞栓症(VTE)発症率を検討する多施設クロスオーバーランダム化非劣性試験を行った(n=1,414)。
結論
1,217名がper-protocol解析に含まれた。救急でのPE診断は7.1%であった。3ヵ月時点でのVTE診断は介入群で1名(0.15%)、対照群で5名(0.80%)であり、介入群戦略の非劣性が示された。6つの二次エンドポイントのうち、胸部画像検査は介入群で減少(30.4% vs. 40.0%)、救急滞在時間も介入群で短縮した。
評価
複数のPE除外戦略を組み合わせたアルゴリズムは見逃しを増やすことなく、期待通り胸部画像検査を抑制した。