猛暑日には救急受診リスクが高まる:アメリカ調査
Ambient heat and risks of emergency department visits among adults in the United States: time stratified case crossover study

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
BMJ
年月
November 2021
375
開始ページ
e065653

背景

気候変動による極暑の増加は高齢者での健康リスクを高めることが知られている。Boston University のSunらは、7,420万人の成人加入者を含むアメリカの全国規模医療レセプトデータベースにおいて、2010〜2019年にかけての気温と救急受診(n=21,996,670)の関連を定量化した。

結論

猛暑日(5〜9月における地域気温の95パーセンタイル以上)には、全原因救急受診が7.8%増加した。猛暑関連疾患での受診は66.3%、腎疾患では30.4%、精神障害では7.9%の増加が見られた。猛暑日は猛暑関連疾患の絶対過剰リスクと関連した(リスク人口10万人あたり24.3件の受診増)。心血管疾患、呼吸器疾患のリスク上昇はみられなかった。猛暑日との関連は男性でより顕著であり、また北東部および大陸性気候の地域で顕著であった。

評価

気温による健康への影響は気候変動問題の重要な論点である。アメリカのメディケア請求ビッグデータを用いた本研究では、猛暑日には救急受診が増加すること、特に若い年代で過剰リスクが大きいことを明らかにした。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)