プレチャージ式除細動器で胸骨圧迫の中断時間を減らす
Pre-charging the defibrillator before rhythm analysis reduces hands-off time in patients with out-of-hospital cardiac arrest with shockable rhythm
背景
心停止蘇生においては絶え間のない胸骨圧迫が重要であり、除細動時の中断(hand-off time)も可能な限り短くすることが望ましいと考えられている。デンマークPrehospital Emergency Medical ServicesのIversenらは、2018年6月にリズム解析前に充電を行うプレチャージ除細動器が実装された救急医療サービス管内で、2018年1月から2019年3月に除細動を受けた成人心停止患者178名における胸骨圧迫の中断などの変化を比較検討した。
結論
523回の除細動プロセスが分析された。プレチャージ法は従来法と比べて、胸骨圧迫の中断時間が短縮した(7.6秒 vs. 12.6秒)。ただし、ショック前の中断時間は長かった(4秒vs. 1.7秒)。心停止あたりの圧迫中断時間の割合は、従来法の20.4%からプレチャージ法では16.5%まで低下した。プレチャージ法による除細動は自己心拍再開の可能性を高めた(オッズ比2.91)。
評価
胸骨圧迫中断→リズム解析→充電→ショックから、充電→胸骨圧迫中断→リズム解析→ショックへの変更により、中断時間が1回あたり5秒短縮された。自己心拍再開率の改善も示唆されており、臨床試験による検証を正当化する。