重症COVID-19サバイバーの9割で集中治療後症候群
Postintensive Care Syndrome in Survivors of Critical Illness Related to Coronavirus Disease 2019: Cohort Study From a New York City Critical Care Recovery Clinic
背景
COVID-19では1割の患者がICU入室を必要とし、生存患者でもさまざまな後遺症が報告されている。Icahn School of Medicine at Mount SinaiのMartilloらは、2020年4月21日〜7月7日にニューヨーク州マウントサイナイ病院の集中治療後回復クリニックでのコホート調査を行い、COVID-19により7日以上のICU入室を経験したサバイバーにおける認知・身体・精神領域での集中治療後症候群(PICS)の特徴を検討した(n=45)。
結論
91%のサバイバーがPICSの診断基準を満たしていた。86.7%が身体領域の障害を、48%が精神領域、8%が認知領域の障害を有した。また、58%が何らかの運動障害を有し、38%が軽度以上の抑うつ状態、18%は中等症・重症の抑うつ状態であった。さらに18%は、DSM-5の心的外傷後ストレス障害(PTSD)チェックリストでPTSDが示唆された。
評価
重症COVID-19が身体・精神・認知の各領域に幅広い後遺症を残すことを改めて示した。コロナ禍にあってICU後ケアの重要性はかつてなく高まっている。