遺伝子疾患が疑われるNICU小児に全ゲノムシーケンシング
Effect of Whole-Genome Sequencing on the Clinical Management of Acutely Ill Infants With Suspected Genetic Disease: A Randomized Clinical Trial
背景
遺伝子検査から得られた情報により臨床管理が改善されることが示唆されている。NICUSeq Study Groupは、アメリカ5施設のICUに入室した遺伝性疾患が疑われる日齢0~120日の乳児を、15日後または60日後に全ゲノムシーケンシング(WGS)結果を受けとる2群へとランダム化し、管理が変更された患者の割合を比較する開始遅延デザインtime-delayed designによるランダム化比較試験NICUSeqを実施した(n=354)。
結論
アジア人・黒人・白人その他多様な人種が含まれた。60日時点での管理変更率は早期通知群21.1%、晩期通知群10.3%であった(オッズ比2.3)。またそれぞれ31.0%、15.0%が分子診断を受けた。晩期通知群でも90日時点では、管理変更率が28.0%に、診断率も31.0%に上昇した。実際の管理変更として、サブ領域への紹介、手術などの侵襲的処置、症状に応じた投薬などがあった。
評価
NICUの乳児を対象としたWGSは実施可能で、一定の患者で管理の最適化をもたらしうることを示唆した。