COVID-19はSTEMI患者の死亡率を悪化させる
Association Between COVID-19 Diagnosis and In-Hospital Mortality in Patients Hospitalized With ST-Segment Elevation Myocardial Infarction

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
The Journal of the American Medical Association
年月
October 2021
Online first
開始ページ
Online first

背景

COVID-19パンデミック下では、いくつかの疾患のアウトカム悪化が報告されているが、心筋梗塞患者では。Brown UniversityのSaadらは、アメリカ509施設のST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者の後向コホートにおいて、同一来院時のCOVID-19の有無とSTEMI治療・アウトカムとの関連を検討した(n=80,449)。

結論

院外発症STEMI患者では、COVID-19感染の有無により初回PCI実施率に差がなかった一方、COVID-19併存の院内STEMI患者では、診断的・治療的な侵襲的冠動脈処置の実施率が低かった。COVID-19を有する院外STEMI患者の院内死亡率は15.2%、COVID-19を有さない患者では11.2%であった。院内STEMI患者の院内死亡率はそれぞれ78.5%、46.1%であった。

評価

COVID-19を伴うSTEMI患者で院内死亡率が上昇し、特に院内STEMI患者では各種介入の実施率・死亡率ともに悪化する事実を、大規模なデータによって示した。ケア・管理の混乱によるものか、ウイルス感染自体の悪影響があるのか、はさらなる検証を要する。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)