心筋梗塞急性期でのコルヒチンは無益か:COVERT MI試験
Effect of Colchicine on Myocardial Injury in Acute Myocardial Infarction
背景
コルヒチンは強力な抗炎症作用を持ち、心筋梗塞に対する潜在的な役割が注目されている。フランスLyon and Claude Bernard UniversityのMewtonらは、ST上昇型心筋梗塞により入院し、初回経皮的冠動脈インターベンションを受けた患者を、5日目まで経口コルヒチンまたは対応プラセボに割り付け、梗塞サイズへの影響を評価する多施設共同ランダム化比較試験COVERT-MIを実施した(n=192)。
結論
5日目時点で心臓MRIにより判定された梗塞サイズは、コルヒチン群とプラセボ群で差がなかった(平均左室心筋重量26 g vs. 28.4 g)。3ヵ月フォローアップでも、左室リモデリングに有意な差はなく、梗塞サイズにも差はなかった。治療期間の消化器有害事象は、コルヒチン群で多かった(34% vs. 11%)。
評価
LoDoCo2試験やCALCOT試験では、安定した慢性冠動脈疾患・心筋梗塞に対して低用量コルヒチン療法の効果が示されていたが、急性心筋梗塞の急性期高用量投与では有効性は認められなかった。