心停止後昏睡での31 ℃低体温療法は34 ℃に優らず:CAPITAL CHILL試験
Effect of Moderate vs Mild Therapeutic Hypothermia on Mortality and Neurologic Outcomes in Comatose Survivors of Out-of-Hospital Cardiac Arrest: The CAPITAL CHILL Randomized Clinical Trial
背景
心停止後昏睡患者では32〜36 ℃の目標体温による体温管理療法が推奨されているが、より低い目標体温による低体温療法に利益はあるか。カナダUniversity of OttawaのLe Mayらは、院外心停止後昏睡患者を対象として、24時間のmoderateな低体温療法(31 ℃)またはmildな低体温療法(34 ℃)がアウトカムに与える影響を検証する単施設ランダム化比較試験CAPITAL CHILLを実施した(n=367)。
結論
180日時点での死亡または神経学的不良アウトカム(Disability Rating Scaleが5以上)率は、31 ℃群で48.4%、34 ℃群では45.4%であった(相対リスク1.07)。19の二次アウトカムのうち、18には有意差がなかった。ICU滞在日数は31 ℃群で延長した(10日 vs. 7日)。180日死亡率は31 ℃群43.5%、34 ℃群41.0%であった。
評価
過去にはより低い目標体温を指向する研究もあったが、低体温での管理は難しく、正常体温でのコントロールが低体温療法と同等であることがTTM試験において示されて以降は32〜36 ℃での体温管理療法が推奨されている。このRCTでもより低い目標体温のベネフィットは認められなかった。