急性脳梗塞の血栓回収におけるステントと吸引の併用は無益:ASTER2試験
Effect of Thrombectomy With Combined Contact Aspiration and Stent Retriever vs Stent Retriever Alone on Revascularization in Patients With Acute Ischemic Stroke and Large Vessel Occlusion: The ASTER2 Randomized Clinical Trial
背景
前方循環系脳主幹動脈閉塞による急性期脳梗塞では、ステントレトリーバーまたは吸引カテーテルによる血栓回収療法が標準治療とされており、近年ではこの2つを併用した治療も報告されている。フランスUniversity of Versailles and Saint Quentin en YvelinesのLapergueらは、同国11施設の脳卒中センターにおける症状発現後8時間以内の前方循環系脳主幹動脈閉塞患者を対象として、ステントレトリーバー・吸引カテーテル併用とステントレトリーバーのみを比較するランダム化比較試験を実施した(n=408)。
結論
治療終了時のexpanded Thrombolysis In Cerebral Infarction(eTICI)スコアが2c/3である患者の割合は、併用群64.5%、ステント群57.9%で(オッズ比1.33)、有意な差はなかった。事前に指定された14の二次有効性エンドポイントのうち、12には有意な差がなかったものの、再開通率は併用群で高く(86.2% vs. 72.3%; 調整オッズ比2.54)、初回割り付け治療後のほぼ完全・完全な再開通率も併用群で高かった(59.6% vs. 49.5%; 1.52)。
評価
一次アウトカムの再開通率は、ステントと吸引の併用により改善する傾向があったものの、有意な差を示すには至らなかった。試験の検出力不足を示唆する結果で、さらなる検証は必須だろう。