COVID-19呼吸不全患者で覚醒下腹臥位療法を行うと挿管・死亡減:メタ試験
Awake Prone Positioning for COVID-19 Acute Hypoxaemic Respiratory Failure: A Randomised, Controlled, Multinational, Open-Label Meta-Trial
背景
COVID-19による急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を呈する人工呼吸患者に対しては腹臥位療法が有効であるが、挿管を受けていない呼吸不全患者での有効性は。フランスCHRU ToursのEhrmannらは、COVID-19による急性低酸素性呼吸不全で高流量鼻カニューラを要する成人患者を対象に、覚醒下腹臥位療法と標準治療を割り付けた6件のランダム化比較試験のメタ試験を行い、覚醒下腹臥位療法の有効性を評価した(n=1,126)。
結論
治療失敗(28日以内の挿管・死亡)率は、腹臥位療法群で40%、通常治療群で46%であった。腹臥位療法のハザード比は、挿管について0.75、死亡については0.87であった。事前指定された有害事象率は低く、両群で同程度であった。
評価
覚醒下腹臥位療法のベネフィットは、小規模な試験において示唆されていたが、高流量鼻カニューラ患者を対象にこれを確認した。これらの患者でルーチン的に1日8時間以上の腹臥位療法を実施することを支持するエビデンスである。