末梢静脈カテーテルはルーチンに交換すべきか:コホート調査
Comparison of Routine Replacement With Clinically Indicated Replacement of Peripheral Intravenous Catheters
背景
最近のCDCガイドラインでは、末梢静脈留置カテーテル(PVC)を96時間より短い間隔で定期的に交換する必要はないとしている。スイスUniversity of Geneva のBuettiらは、PVC交換の施設ポリシーを96時間毎から臨床上必要な場合のみに変更し、その後ふたたび96時間毎へと変更した大規模大学付属病院において、各期間におけるPVC関連血流感染(PVC-BSI)の発生率を調査した。
結論
164,331名の患者での412,631件のPVC留置が記録された。PVC-BSIは、ベースライン期間(96時間毎)で11件、介入期間(臨床上の必要に応じた交換)で46件、後介入期間(96時間毎)で4件発生した。PVC留置日数はすべての期間を通じて安定していたものの、PVC数は介入期間中に減少した。また4日以上または7日以上の留置も、介入期間中に増加した。ベースラインと比較したPVC-BSIの発生率比は、介入期間において有意に増加したが(7.20)、後介入期間には差がなかった(1.35)。
評価
2015年のシステマティックレビュー(https://doi.org/10.1002/14651858.CD007798.pub4)において、72〜96時間毎のPVC定期的交換を支持するエビデンスは見られなかったが、この施設コホートでは、臨床上の必要に応じたPVC交換ポリシーのもとでBSIの増加が見られ、ふたたび96時間毎の交換へと変更された。