末梢静脈カテーテルはルーチンに交換すべきか:コホート調査
Comparison of Routine Replacement With Clinically Indicated Replacement of Peripheral Intravenous Catheters

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
JAMA Internal Medicine
年月
September 2021
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開始ページ
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背景

最近のCDCガイドラインでは、末梢静脈留置カテーテル(PVC)を96時間より短い間隔で定期的に交換する必要はないとしている。スイスUniversity of Geneva のBuettiらは、PVC交換の施設ポリシーを96時間毎から臨床上必要な場合のみに変更し、その後ふたたび96時間毎へと変更した大規模大学付属病院において、各期間におけるPVC関連血流感染(PVC-BSI)の発生率を調査した。

結論

164,331名の患者での412,631件のPVC留置が記録された。PVC-BSIは、ベースライン期間(96時間毎)で11件、介入期間(臨床上の必要に応じた交換)で46件、後介入期間(96時間毎)で4件発生した。PVC留置日数はすべての期間を通じて安定していたものの、PVC数は介入期間中に減少した。また4日以上または7日以上の留置も、介入期間中に増加した。ベースラインと比較したPVC-BSIの発生率比は、介入期間において有意に増加したが(7.20)、後介入期間には差がなかった(1.35)。

評価

2015年のシステマティックレビュー(https://doi.org/10.1002/14651858.CD007798.pub4)において、72〜96時間毎のPVC定期的交換を支持するエビデンスは見られなかったが、この施設コホートでは、臨床上の必要に応じたPVC交換ポリシーのもとでBSIの増加が見られ、ふたたび96時間毎の交換へと変更された。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)