プロバイオティクスは人工呼吸器関連肺炎を減らさず:PROSPECT試験
Effect of Probiotics on Incident Ventilator-Associated Pneumonia in Critically Ill Patients: A Randomized Clinical Trial
背景
重症患者でのプロバイオティクス投与を検証したランダム化比較試験では、プロバイオティクスが人工呼吸器関連肺炎(VAP)を抑制することが示唆されている。カナダUniversity of TorontoのJohnstoneらは、カナダ・アメリカ・サウジアラビアの44ICUにおいて72時間以上の人工呼吸を必要とする患者を対象に、一日2回のLGG乳酸菌(Lactobacillus rhamnosus GG)またはプラセボ経口投与を行うランダム化比較試験PROSPECTを実施した(n=2,653)。
結論
VAPはプロバイオティクス群の21.9%、プラセボ群の21.3%で発生した((ハザード比1.03)。ICU内感染、下痢、抗菌薬投与、死亡率、入室日数など、事前指定された20種の二次アウトカムにも有意な群間差は認めなかった。
評価
最新のメタアナリシス(https://doi.org/10.1186/s40560-020-00487-8)はプロバイオティクスのVAP予防効果を示唆していたが、これら先行RCTの患者をすべて合わせたよりも大きいPROSPECT試験では、LGG乳酸菌投与の効果は認められなかった。