救急の興奮患者をケタミンにより迅速に鎮静:RCT
Rapid Agitation Control With Ketamine in the Emergency Department: A Blinded, Randomized Controlled Trial
背景
運動性興奮を伴う患者が救急外来に現れた場合、患者とスタッフの安全のため速やかな鎮静が求められる。カナダUniversity of British ColumbiaのBarbicらは、救急の重度運動性興奮(Richmond Agitation Score ≧+3)患者を対象に、ミダゾラム(5 mg)+ハロペリドール(5 mg)またはケタミン(5 mg/kg)の単回筋肉注射を比較するランダム化比較試験を実施した(n=80)。
結論
鎮静(RASS≦-1)までに要した時間は、ミダゾラム+ハロペリドール群で14.7分であったのに対し、ケタミン群では5.8分であった(Cox比例モデル解析でのハザード比2.43)。重篤な有害事象は、ミダゾラム+ハロペリドール群の2名(5.0%)、ケタミン群の5名(12.5%)で発生した(非有意)。
評価
興奮患者では抗精神病薬やベンゾジアゼピン系薬剤が一般的に用いられるが、このRCTではケタミン筋注でより速やかな鎮静が可能であった。魅力的なオルタナティブと考えられるが、小規模な単施設RCTであることの制約がある。