角膜上皮剥離での局所鎮痛はNSAIDs:系統的レビュー・メタ解析
Topical pain control for corneal abrasions: A systematic review and meta-analysis
背景
角膜びらん・角膜上皮剥離に対する鎮痛にはさまざまなオプションがあり、ランダム化比較試験も数多く実施されてきた。カナダQueen’s UniversityのYuらは、角膜びらんに対する局所麻酔薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、調節麻痺点眼剤、ステロイド、圧迫眼帯、治療用ソフトコンタクトレンズを用いた局所鎮痛の有効性・安全性を評価するため、システマティックレビューとメタアナリシスを実施した。
結論
31件のランダム化比較試験、2件のコホート研究から、4,167名の角膜びらん患者が解析された。十分なエビデンスはNSAIDsについてのみ得られた。局所NSAIDsは24時間・48時間疼痛スコアを有意に低下させ(標準化平均差−0.69・−0.56)、経口鎮痛薬の使用も53%減少させた。局所麻酔薬、調節麻痺点眼剤、眼帯、治療用ソフトコンタクトレンズの使用は疼痛スコア、経口鎮痛薬使用に有意な差をもたらさなかった。局所ステロイドを検証した研究はなかった。
評価
局所鎮痛としての有効性エビデンスが確立していたのはNSAIDsのみであった。局所麻酔薬については、近年テトラカインを検証する研究が複数行われているが、特にその安全性に関して研究が不十分と評価された。