NSTEMI院外心停止患者での蘇生後即時CAGは有害か:TOMAHAWK試験
Angiography after Out-of-Hospital Cardiac Arrest without ST-Segment Elevation
背景
ST上昇を伴わない心筋梗塞(NSTEMI)患者における蘇生後即時の冠動脈造影については、COACT試験においてはベネフィットが認められなかった。ドイツHeart Center Leipzig at the University of LeipzigのDeschらは、蘇生に成功したNSTEMI院外心停止患者のうち冠動脈原性の可能性があるものを、即時CAまたは初期集中治療評価とその後のCAG(順延造影)に割り付ける多施設ランダム化比較試験TOMAHAWKを実施した(n=554)。
結論
30日死亡率は、即時造影群で54.0%、順延造影群で46.0%であった(ハザード比1.28)。死亡および重度の神経学的異常はそれぞれ64.3%、55.6%と、即時造影群で多く発生した(相対リスク1.16)。トロポニンのピーク値や中等度以上の出血、脳卒中、腎代替療法は両群で同程度であった。
評価
COACT試験は初期リズムがショック適応の患者のみを対象としたが、本研究ではショック非適応患者に拡げても、即時造影が無益であることを示唆した。複合アウトカムについては即時造影群で劣っており、ST上昇のない蘇生後患者では他の集中治療評価を優先すべきと思われる。