初期蘇生後に頻脈が見られる敗血症患者にエスモロール・ランジオロールが有効か:系統的レビュー・メタ解析
Effect of Ultrashort-Acting β-Blockers on Mortality in Patients With Sepsis With Persistent Tachycardia Despite Initial Resuscitation: A Systematic Review and Meta-analysis of Randomized Controlled Trials
背景
敗血症性ショックに対するβ遮断薬は心拍数および血圧の低下が懸念され禁忌視されてきたが、近年、頻脈が持続する敗血症患者でのβ遮断薬の有効性が報告されている。日本Fujita Health University School of Medicine(藤田医科大学)のHasegawaらは、敗血症および敗血症性ショック患者に超短時間作用型β遮断薬(エスモロール・ランジオロールなど)を投与し、死亡率への影響を比較したランダム化比較試験を検索し、初期蘇生後にも持続する頻脈を有する敗血症患者での超短時間作用型β遮断薬の効果を検討するシステマティックレビュー・メタアナリシスを実施した。
結論
7件のRCTが含まれた(n=613)、6件が28日死亡率を報告した(n=572)。敗血症・敗血症性ショック患者でのエスモロール・ランジオロールの使用は、28日死亡率の有意な低下と関連した(リスク比0.68)。絶対リスク減少は18.2%、1件の死亡を予防するための必要治療数(NNT)は5.5人であった。
評価
近年の研究は、β遮断薬が全身灌流を維持しつつ心筋効率を改善することを示唆しており、このメタ解析も敗血症頻脈でのβ遮断薬を支持する結果となった。