難治性院外心停止でREBOAを使用する
Resuscitative endovascular occlusion of the aorta (REBOA) for refractory out of hospital cardiac arrest. An Utstein-based case series
背景
Resuscitative endovascular balloon occlusion of the aorta(REBOA, IABO)は外傷性ショックに対する蘇生オプションとして使用されているが、二次救命処置に反応しない非外傷性心停止に対する治療法としても提案されている。イタリアMaggiore Hospital Carlo Alberto PizzardiのGamberiniらは、2019〜20年にREBOAが試みられた難治性院外心停止(OHCA)患者(連続20名)を対象として、OHCAへのREBOAのフィジビリティ・有効性を検討した。
結論
20名中18名でカテーテル留置が成功した(うち11名が非外傷性OHCA)。成功しなかった2名は動脈穿刺が繰り返し失敗していた。REBOAカテーテル留置までの時間は、救急出動から中央値46分であった。バルーンのインフレート後12名でetCO2の上昇(10 mmHg超)が認められ、その後ICUに入室した5名で自己心拍の再開が見られた。5名のうち4名は24時間以内に脳死基準に達し、1名はICUでふたたび難治性心停止を発症し死亡した。
評価
近年、難治性の非外傷性心停止に対してREBOAが有効であるとする散発的な報告がある(https://doi.org/10.26676/jevtm.v1i1.18, https://doi.org/10.1017/S1049023X19004795)、本研究は難治性OHCA治療においてREBOAがフィジブルであることを確認した。ノルウェイでは、前向臨床試験REBOARRESTが行われている(NCT04596514)。