心原性ショックでの強心薬、ドブタミンとミルリノンに差はなし:DOREMI試験
Milrinone as Compared with Dobutamine in the Treatment of Cardiogenic Shock

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
August 2021
385
開始ページ
516

背景

心原性ショックには複数の強心薬オプションが存在するが、これらを比較するランダム化比較試験データは不足している。カナダUniversity of Ottawa Heart InstituteのMathewらは、cardiac ICUに入室した心原性ショック成人患者に対し、ミルリノンまたはドブタミンを割り付ける二重盲検ランダム化比較試験を実施した(n=192)。一次複合アウトカムは、全原因院内死亡・心停止・心移植/機械的循環補助・非致死的心筋梗塞・一過性脳虚血発作/脳卒中・腎代替療法開始である。

結論

一次アウトカムは、ミルリノン群の49%、ドブタミン群の54%で発生した(相対リスク0.90)。二次アウトカム(院内死亡・心停止発症後蘇生・機械的循環補助・腎代替療法開始)にも群間差はなかった。

評価

単施設RCTで、試験サイズも大規模とは言えないが、(ミルリノンの利点を示す複数の理論的データにもかかわらず)ドブタミンとミルリノンが心原性ショック患者に対して同程度に有効であることを示唆した。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)