乳児細気管支炎の治療をターゲット化介入で最適化する
Effectiveness of Targeted Interventions on Treatment of Infants With Bronchiolitis: A Randomized Clinical Trial
背景
細気管支炎は多くの乳児が罹患する急性ウイルス感染症で、その診療・治療は国際的なガイドラインにより標準化されているが、実践にはバラツキもある。ニュージーランドStarship Children’s HospitalのHaskellらは、オーストラリア・ニュージーランドの二次/三次小児医療提供病院26施設をクラスターランダム化し、クリニカルリード、ステークホルダー/ミーティング、トレーナー養成ワークショップ、ターゲット化された教育、各種教育・促進資料、監査/フィードバックを含む行動変容理論に基づく介入が、気管支炎管理を改善するか検証するクラスターランダム化試験を実施した。
結論
実施期間のデータは3,727名の乳児で収集された。遵守事項(最初24時間における胸部X線・サルブタモール・グルココルチコイド・抗菌薬・アドレナリンの不使用)のコンプライアンス率は、介入施設で85.1%、対照施設で73.0%であった(調整リスク差14.1%)。
評価
エピネフリンやサルブタモールの効果に関するエビデンスは限られている(https://doi.org/10.1542/peds.2020-040816)。本試験の介入は、効果の明確でない治療を行わないよう推奨するAAPガイドラインの遵守率を高め、細気管支炎の管理を改善することができる。