乳児細気管支炎の治療をターゲット化介入で最適化する
Effectiveness of Targeted Interventions on Treatment of Infants With Bronchiolitis: A Randomized Clinical Trial

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
JAMA Pediatrics
年月
April 2021
175
開始ページ
797

背景

細気管支炎は多くの乳児が罹患する急性ウイルス感染症で、その診療・治療は国際的なガイドラインにより標準化されているが、実践にはバラツキもある。ニュージーランドStarship Children’s HospitalのHaskellらは、オーストラリア・ニュージーランドの二次/三次小児医療提供病院26施設をクラスターランダム化し、クリニカルリード、ステークホルダー/ミーティング、トレーナー養成ワークショップ、ターゲット化された教育、各種教育・促進資料、監査/フィードバックを含む行動変容理論に基づく介入が、気管支炎管理を改善するか検証するクラスターランダム化試験を実施した。

結論

実施期間のデータは3,727名の乳児で収集された。遵守事項(最初24時間における胸部X線・サルブタモール・グルココルチコイド・抗菌薬・アドレナリンの不使用)のコンプライアンス率は、介入施設で85.1%、対照施設で73.0%であった(調整リスク差14.1%)。

評価

エピネフリンやサルブタモールの効果に関するエビデンスは限られている(https://doi.org/10.1542/peds.2020-040816)。本試験の介入は、効果の明確でない治療を行わないよう推奨するAAPガイドラインの遵守率を高め、細気管支炎の管理を改善することができる。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)