救急での鎮痛にケタミンをネブライザー投与する?:KetaBAN試験
Comparison of Nebulized Ketamine at Three Different Dosing Regimens for Treating Painful Conditions in the Emergency Department: A Prospective, Randomized, Double-Blind Clinical Trial

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Annals of Emergency Medicine
年月
July 2021
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開始ページ
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背景

アメリカの救急科では、解離用量以下のケタミンによる鎮痛が広く利用されている。Maimonides Medical CenterのDoveらは、中等度から重度の急性・慢性疼痛を有する成人救急患者を対象に、0.75 mg/kg、1 mg/kg、1.5 mg/kgの3用量によるネブライザー投与を行う二重盲検ランダム化比較試験を実施した(n=120)。

結論

30分時点での11点NRS疼痛スコアの平均は、0.75 mg/kg群と1 mg/kg群で0.25差、1 mg/kg群と1.5 mg/kg群では-0.225差であった。バイタルサインについて臨床的に重要な変化はなく、重篤有害事象は発生しなかった。

評価

いずれの用量も有効かつ安全であるように思われた。IVアクセスに問題がある患者でのオプションとなりうるが、安全性についてIV投与との比較は必要とされる。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)