難治性の院外心停止患者での早期ECPRは困難:EROCA試験
Extracorporeal Cardiopulmonary Resuscitation for Refractory Out-of-Hospital Cardiac Arrest (EROCA): Results of a Randomized Feasibility Trial of Expedited Out-of-Hospital Transport
背景
ECPR(体外循環式心肺蘇生法)は心停止患者に対する最も先進的な治療法であり、その有効性は治療開始までの時間に依存している。University of Michigan のHsuらは、911通報から救急部門到着までの時間が30分以内と予測される難治性のショック適応/目撃あり院外心停止患者を、迅速な搬送または標準ケアに4:1で割り付けるランダム化フィジビリティ試験EROCAを実施した。
結論
911通報151件から、15名の患者が登録された。迅速搬送群に割り付けられた患者12名のうち5名は、30分以内に救急部門に到着し、ECPR治療を受けた。ECPR治療を受けた5名のうち、3名では救急到着から30分以内にECPRが開始された。ただ両群とも、神経学的良好アウトカムで生存した患者はなかった。
評価
機械的CPRを用いて迅速な病院到着とECPR開始を目指すプロトコルであったが、事前指定されたフィジビリティアウトカムは満たされず、神経学的アウトカムも不良であった。昨年、ARREST試験が院外心停止・難治性VF患者における早期ECMOの高い有効性を実証しているが、EROCA試験はこの結果の再現が容易な課題ではないことを示している。