ICU挿管でのスタイレット使用は初回成功率を高める:STYLETO試験
Effect of the use of an endotracheal tube and stylet versus an endotracheal tube alone on first-attempt intubation success: a multicentre, randomised clinical trial in 999 patients

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Intensive Care Medicine
年月
May 2021
47
開始ページ
653

背景

スタイレットを用いた気管挿管は一般に行われており、初回成功率が高まることを示唆するエビデンスもあるが、ICU設定でのベネフィットについては明らかではない。フランスUniversity of MontpellierのJaberらは、同国32施設のICUで人工呼吸器が必要な成人患者に対し、気管チューブ+スタイレットまたは気管チューブのみ(スタイレットなし)による挿管を割り付け、初回成功率・その他のアウトカムを比較するランダム化比較試験STYLETOを実施した(n=999)。

結論

初回挿管成功率はスタイレットあり群で78.2%、スタイレットなし群で71.5%であった(相対リスク1.10)。挿管関連の合併症は各群38.7%、40.2%で発生し(0.96)、重篤有害事象の発生率は4.0%、3.6%であった(1.10)。

評価

スタイレットの使用は、合併症をもたらすことなく初回成功率を有意に向上させた。挿管困難例に限定されない使用を支持するエビデンスである。

関連するメディカルオンライン文献

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)