救急の失神患者でのリスク層別化スコア、高精度の検証済スコアはCanadian Syncope Risk Scoreだけ
Multivariable risk scores for predicting short-term outcomes for emergency department patients with unexplained syncope: A systematic review
背景
救急で失神患者の層別化を行うためのリスクスコアは複数存在するが、どのリスクスコアを用いるのが良いのか。カナダUniversity of TorontoのSweanorらは、30日以内の有害事象リスクが高い成人失神患者を同定するための多変量スコアの精度を検討するため、システマティックレビューを実施した。
結論
13,788報のアブストラクトがスクリーニングされ、9つのリスク層別化スコアを評価した17件の研究(n=24,234)が含まれた。7.5%の患者が有害事象を経験した。Canadian Syncope Risk Scoreが4以上では有害事象の可能性が高く(尤度比11)、0以下の場合は低かった(0.10)。他のルールは、OESILルールは精度が低く、SFSR、Boston Syncope Criteria、Rose基準は高リスク患者の同定精度が低く、Ottawa ECG基準、Syncope Risk Score、Canadian Syncope Arrhythmia Score、FAINTスコアは十分検証されていなかった。
評価
高精度かつ、現時点で検証済みのスコアは、2016年に開発されたCSRSのみであった。CSRSは8項目からなり5段階のリスク層別化が可能なスコアで(https://www.mdcalc.com/canadian-syncope-risk-score)、精密検査・入院の要否を判断する上で有用であろう。