人工呼吸患者での早期デクスメデトミジン鎮静、高齢患者でのみ効果:SPICE III試験
Early sedation with dexmedetomidine in ventilated critically ill patients and heterogeneity of treatment effect in the SPICE III randomised controlled trial
背景
SPICE III試験は、ICUで人工呼吸を受ける重症成人患者(n=4,000)に対して、単独または一次鎮静薬としてデクスメデトミジンまたは通常ケア(プロポフォール、ミダゾラム、他の鎮静薬)を割り付ける非盲検ランダム化比較試験であり、全体としては死亡率に差がないこと、サブグループごとにデクスメデトミジンの効果に差があることを明らかにした。Monash UniversityのShehabiらは、同試験に登録された患者3904名での二次ベイズ解析を行い、年齢・クラスターに応じたデクスメデトミジンの効果を特定した。
結論
ベイズ階層モデルにより、年齢と12のクラスターに応じた効果の異質性を評価した。65歳超の患者では、デクスメデトミジンが90日死亡率の低下と関連しており(オッズ比0.83)、死亡率が低下する確率は97.7%であった。反対に65歳以下の患者では死亡率が増加する可能性が高かった(98.5%; オッズ比1.26)。また、主に術後患者で構成されるクラスター1は、主に非手術患者のクラスター2と比してデクスメデトミジンが有効である可能性が高かった。
評価
全体としてはデクスメデトミジンの利益を示せなかった試験だが、この解析では、患者の年齢および術後/非術後で効果が異なる可能性を示した。将来のランダム化試験を正当化する、重要な知見である。


