重症でない市中肺炎でのβラクタム抗菌薬治療、3日間コースは8日間に非劣性:PTC試験
Discontinuing β-lactam treatment after 3 days for patients with community-acquired pneumonia in non-critical care wards (PTC): a double-blind, randomised, placebo-controlled, non-inferiority trial
背景
近年の研究は、市中肺炎における抗菌薬療法の至適期間が、従来考えられてきたよりも短い可能性を示唆している。フランスAP-HP Paris Saclay UniversityのDinhらは、同国16施設の、CCU入室を要しない市中肺炎により入院し、3日間のβラクタム抗菌薬治療で安定が得られた成人患者において、追加5日間の経口βラクタム治療または対照プラセボを割り付け、短期抗菌薬治療の非劣性を検証するランダム化非劣性試験Pneumonia Short Treatmentを実施した。
結論
706名が適格性について評価を受け、3日間のβラクタム治療後に310名がランダム化された。ITT解析における15日目までの治癒(発熱なし、呼吸器症状の改善、抗菌薬追加なし)率は、プラセボ群77%、βラクタム群68%であり、プラセボ群の非劣性が示された。有害事象発生率はプラセボ群14%、βラクタム群19%で差はなかった。プラセボ群の3名、βラクタム群の2名が30日以内に死亡した。
評価
市中肺炎入院患者であっても重症でない場合は、3日間まで安全に抗菌薬治療を短縮可能であることを実証した。抗菌薬の大幅な削減を可能にするエビデンスである。