院外心停止でのアドレナリン、長期結果も変わらず:PARAMEDIC2試験
Long term outcomes of participants in the PARAMEDIC2 randomised trial of adrenaline in out-of-hospital cardiac arrest
背景
PARAMEDIC2試験は、イギリスNHSの院外心停止患者(n=8,014)において、アドレナリンまたはプラセボ(生理食塩水)の静注を比較する二重盲検・ランダム化比較試験であり、アドレナリン群で生存率が改善するも神経学的良好アウトカムには有意な差が見られないことを報告している。イギリスUniversity of WarwickのHaywoodらは、同試験における3ヵ月・6ヵ月・12ヵ月後の長期生存率・QOL・機能/認知アウトカムを報告した。
結論
6ヵ月時点での神経学的良好アウトカム率は、アドレナリン群2.0%、プラセボ群1.5%であった(調整オッズ比1.35, 非有意)。6ヵ月生存率はそれぞれ2.9%、2.2%であり(1.43)、12ヵ月時点では2.7%、2.0%に低下した(1.38)。認知/機能的アウトカムおよびQOLに、明白な群間差のエビデンスは認められなかった。
評価
当然視されてきた心停止でのアドレナリンの価値を問い直した大規模RCTで、この長期結果においてもアドレナリンが神経学的良好アウトカムにつながるとするエビデンスは得られなかった。