救急不穏・興奮患者での鎮静、ドロペリドールが効果的
Randomized Double‐blind Trial of Intramuscular Droperidol, Ziprasidone, and Lorazepam for Acute Undifferentiated Agitation in the Emergency Department

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Academic Emergency Medicine
年月
April 2021
28
開始ページ
421

背景

救急部門における患者の不穏・興奮状態を鎮静するための最適の薬剤は? Hennepin County Medical CenterのMartelらは、非経口鎮静を必要とする救急の急性興奮患者において、ドロペリドール5mg、ジプラシドン10mg、ジプラシドン20mg、ロラゼパム2mgの筋注をランダムに割り付けるランダム化比較試験を実施した(n=115)。

結論

15分後に十分な鎮静状態(Altered Mental Status Scaleが0以下)が達成された患者は、ドロペリドール群64%、ジプラシドン10mg群25%、ジプラシドン20mg群35%、ロラゼパム群29%であり、一対比較においてドロペリドールは他の薬剤よりも効果が高かった。レスキュー鎮静の必要性に有意な差はなかった。呼吸抑制はそれぞれ12%、36%、39%、48%であり、ドロペリドールで少なかった。心室性不整脈は発生せず、QTc間隔は全群で同程度であった。

評価

ドロペリドール筋注により迅速な鎮静が達成された。ドロペリドールは過去にFDAの黒枠警告を受けているが、不整脈やQT延長も見られず安全に使用可能であった。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)