救急不穏・興奮患者での鎮静、ドロペリドールが効果的
Randomized Double‐blind Trial of Intramuscular Droperidol, Ziprasidone, and Lorazepam for Acute Undifferentiated Agitation in the Emergency Department
背景
救急部門における患者の不穏・興奮状態を鎮静するための最適の薬剤は? Hennepin County Medical CenterのMartelらは、非経口鎮静を必要とする救急の急性興奮患者において、ドロペリドール5mg、ジプラシドン10mg、ジプラシドン20mg、ロラゼパム2mgの筋注をランダムに割り付けるランダム化比較試験を実施した(n=115)。
結論
15分後に十分な鎮静状態(Altered Mental Status Scaleが0以下)が達成された患者は、ドロペリドール群64%、ジプラシドン10mg群25%、ジプラシドン20mg群35%、ロラゼパム群29%であり、一対比較においてドロペリドールは他の薬剤よりも効果が高かった。レスキュー鎮静の必要性に有意な差はなかった。呼吸抑制はそれぞれ12%、36%、39%、48%であり、ドロペリドールで少なかった。心室性不整脈は発生せず、QTc間隔は全群で同程度であった。
評価
ドロペリドール筋注により迅速な鎮静が達成された。ドロペリドールは過去にFDAの黒枠警告を受けているが、不整脈やQT延長も見られず安全に使用可能であった。