救急隊員に認識されなかった脳卒中の特徴は?:系統的レビュー
Characteristics of patients who had a stroke not initially identified during emergency prehospital assessment: a systematic review
背景
脳卒中患者の4人に1人は、発症時に顔(Face)・腕(Arm)・言葉(Speech)の典型的な症状を示さない。イギリスUniversity of Central LancashireのJonesらは、救急医療サービスでの認識されなかった(偽陰性)脳卒中の急性期症状を明らかにするべく、システマティックレビューを行った。
結論
845件の研究のうち、21件の観察研究が基準を満たした(n=6,934)。対象となった脳卒中・一過性脳虚血発作患者のうち、26%(1,774名)が偽陰性であった。偽陰性例で記録された症状として、発話の問題(107名)、悪心・嘔吐(94名)、非回転性めまい(86名)、精神状態の変化(51名)、視覚障害(43名)があった。
評価
脳卒中には確立された病院前スクリーニングツールが複数あるが(http://doi.org/10.1001/jamaneurol.2020.4418)、少なくない患者で偽陰性が発生するとされる。このレビューは、いくつかの非特異的症状のほか、典型症状である発話の問題を有する患者でも見逃しが発生することを明らかにした。