急性呼吸困難患者でのPOCUSは有用:ACPガイドラインのためのレポート
Point-of-Care Ultrasonography in Patients With Acute Dyspnea: An Evidence Report for a Clinical Practice Guideline by the American College of Physicians
背景
急性呼吸困難は救急患者・入院患者でしばしば見られ、その診断には不確実性が伴う。オーストリアDanube University KremsのGartlehnerらは、同患者におけるポイント・オブ・ケア超音波検査(POCUS)の利益・害・診断精度を評価するため、既存のランダム化比較試験・前向コホート研究をレビューした。
結論
5件のRCTと44件のコホート研究でPOCUSが評価された。標準的な診断プロセスにPOCUSを追加することで、有意に正確な診断が得られた。うっ血性心不全・肺炎・肺塞栓症・胸水・気胸について、診断プロセスの感度を上昇させ、ほとんどの研究で特異度を上昇させた。院内死亡率と入院期間については有意差はなかった。
評価
急性呼吸困難患者でのPOCUS使用が、特異度を犠牲にすることなく感度を上昇させることを確認した。ただし、健康アウトカムを検討したエビデンスが限られ、研究間のばらつきもあったことから、ガイドラインにおける推奨は条件付きとなった(https://doi.org/10.7326/M20-7844)。