COPD増悪患者での酸素療法での酸素飽和度目標は?
Oxygen therapy and inpatient mortality in COPD exacerbation
背景
閉塞性肺疾患(COPD)増悪患者への酸素投与に関して、ERSやBTSのガイドラインは、過剰な酸素化のリスクを避けるため高CO2血症リスクのある患者では酸素飽和度88〜92%を目標とした管理を推奨する一方、高CO2血症リスクのない患者では94〜98%を目標とした管理を推奨している。イギリスRoyal Victoria InfirmaryのEchevarriaらは、Dyspnoea, Eosinopenia, Consolidation, Acidaemia and Atrial Fibrillation研究において酸素投与を受けていたCOPD増悪患者(n=1,027)で、入院時の酸素飽和度と死亡率の関連を評価した。
結論
酸素飽和度が92%を超えると、死亡率は用量依存的に高くなった。88%〜92%群と比較して、93%〜96%群の死亡リスク(オッズ比)は1.98、97%〜100%群では2.97であった。CO2正常値のサブグループにおいても93%〜96%、97%〜100%は死亡リスクであった。
評価
死亡率は、入院時酸素飽和度が88%〜92%の患者で最も低く、それ以上の患者では上昇した。この傾向は、CO2高値・正常値にかかわらず認められ、高CO2血症リスクによって異なる目標を設定するERS・BTSガイドラインに疑問を突きつける。