どのような挫傷が児童虐待を示唆するか:臨床意思決定ルールを改良・検証
Validation of a Clinical Decision Rule to Predict Abuse in Young Children Based on Bruising Characteristics
背景
小児における挫傷を契機に身体的虐待が発見されることがある一方、見逃されたり、虐待でないと誤って判断されるケースもある。Ann & Robert H. Lurie Children’s Hospital of ChicagoのPierceらは、身体的虐待の可能性がある小児を特定するための開発済み臨床意思決定ルールTEN-4(胴体・耳・首の挫傷、4歳以下のすべての挫傷)を改良し、検証するべく、5施設の都市部小児救急で前向横断研究を実施した。
結論
21,123名の連続小児患者がスクリーニングを受け、4歳以下の挫傷小児2161名が含まれた。専門家パネルのコンセンサスは、このうち19%を虐待、79%を非虐待に分類した。TEN-4に加えて、唇と歯茎の間の皮膚、下顎角、頬、目蓋、結膜下の挫傷がルールに加わった。改良されたTEN-4-FACESpの感度は95.6%、特異度は87.1%であった。
評価
確立された臨床意思決定ルールTEN-4を洗練させ、虐待リスクのある小児を高精度で発見することを可能にした。この研究に基づくアプリも公開が予定されており、TEN-4-FACESpルールと合わせて虐待の早期発見に資するだろう。


